第0回もぐらびと杯 1回戦フィーチャー らふぁにぃVSアレックス熊野

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 初めに

2020年10月27日、DMチームもぐらびと(土屋杏、声人、ペルソナ)が主催するもぐらびと杯、その試験大会であるプレリリースが行われた。

本大会は大会運営のもぐらびとメンバーと親交のある7名に、WANTEDプレイヤーとしてもぐらびとのメンバーペルソナを加えた合計8名で行われ、スイスドロー全3回戦で優勝を決める。

本ブログでは全3回戦の大会のうち、各回戦のフィーチャー席のカバレージを投稿するが、本記事はその一試合目である。

 

1回戦 らふぁにぃVSアレックス熊野

1回戦。まずはここに勝って勢いに乗りたいところだが、フィーチャーに選ばれたのはこの2名。

らふぁにぃは自身のYouTubeでリモート大会「VDuel」を主催しており、さらにDMYouTuberの専属デッキビルダーも務めている。リモート大会にも精通しており、その実力は確かだ。

対するはアレックス熊野。茨城を中心に活動しており、リモートチーム戦で優勝経験もあるDMチーム「Grabbed Freedom」のメンバーでもある。直近のリモートチーム戦でも優勝しており、こちらもまぎれもない強者。

そんな2名が選択したデッキは、奇しくも同じ《バーンメア・ザ・シルバー》を用いたデッキ。しかしその構築は似て非なるものだ。

アレックス熊野が使うのは青赤緑、一般的に「シータバーンメア」と呼ばれる型で、最もオーソドックスな型と言えるだろう。

一方らふぁにぃが使うのは黒赤緑、デアリカラーと呼ばれる3色で構築されたバーンメアだが、《零龍》なども搭載されており一般的にはあまり見かけない構築となっている。

シータのアレックス熊野か。デアリのらふぁにぃか。異色の同型対決の火蓋が切られた。

 

先行 らふぁにい

先行を取ったらふぁにぃだったが、2ターン目にマナ加速を行えず《百鬼の邪王門》《エモG》をマナに置くのみに留まる。それでも3ターン目に《お清めシャラップ》をプレイし、マナに《バーンメア・ザ・シルバー》を落とす。これで《グレープ・ダール》のJチェンジから展開するプランも視野に入り、上々の立ち上がりと言えるだろう。

一方のアレックス熊野も2ターン目に《フェアリー・ライフ》、3ターン目には《バーンメア・ザ・シルバー》をマナに置き《霞み妖精ジャスミン》をプレイ。こちらもしっかり初動を引いており、序盤は両者互角の戦いだ。

状況が動いたのはらふぁにぃの4ターン目。《ムシ無視のんのん/灰になるほどヒート》をチャージから5マナで《絶望と反魂と滅殺の決断》をプレイ。2ハンデスを選択し、アレックス熊野の行動をしっかりと妨害していく。

返しのターンにアレックス熊野もマナチャージから《ウマキン・プロジェクト》を召喚し《生命と大地と轟破の決断》をマナに送りながら手札を回復させるものの、らふぁにぃは5ターン目に先ほど唱えた《絶望と反魂と滅殺の決断》を墓地からもう一度発動する。

回復しきっていない手札を叩き落しアレックス熊野の手札は0枚になり、さらにここで《零龍》の手札の儀が発動。GRゾーンから《無限合体 ダンダルダBB》を場に出し、らふぁにぃが完全にペースを握った。

しかしアレックス熊野もやれっぱなしではない。ここで先ほど《ウマキン・プロジェクト》でマナに落ちた《生命と大地と轟破の決断》が活きる。

ドローした《洗脳センノー》をそのままマナに送り、マナから《生命と大地と轟破の決断》を発動。効果で《ウマキン・プロジェクト》《洗脳センノー》を場に出し、リソースを回復させつつらふぁにぃの動きを牽制する。

さらに《ウマキン・プロジェクト》のドローで手札に来た《フェアリー・ライフ》を唱え、マナをほとんどのカードが使用できる7マナまで伸ばす。

そしてらふぁにぃの 6ターン目。《フェアリー・ライフ》をマナに埋め《デスマッチ・ビートル》を場に出す。これでアレックス熊野の《灰になるほどヒート》《グレープ・ダール》からのバーンメアを絡めた大量展開を封じたことになる。

さらに残ったマナで《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》を場に出し、邪魔な《洗脳センノー》を破壊しアレックス熊野をさらに追い詰める。

しかしアレックス熊野は、ここで数少ない回答をトップで引き当てる。

「チャージなし、7マナでステゴロカイザー召喚します」

デッキに1枚しか入っていない《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》をここで引いてくる。これが、「強者」

《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》で《無限合体 ダンダルダBB》を破壊しながらマナ加速、さらにマナの《バーンメア・ザ・シルバー》を回収。次のターンに向けて万全の状態を整えてターンを返す。

らふぁにぃの7ターン目、《フェアリー・ライフ》をマナに埋め、《百鬼の邪王門》をプレイ。《ツルハシ童子》を場に出し、《百鬼の邪王門》の効果で《ウマキン・プロジェクト》とバトル。スレイヤー効果で相打ちになりつつ、墓地からグレープダールを回収しながらさらに《零龍》復活の儀を達成させていく。

そして場にいた《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》でタップされている《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》を攻撃。《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》はスレイヤーのため、《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》と相打ちになる。

さらにこれで《零龍》の破壊の儀を達成したため、残されているのは墓地の儀のみ。仮に次のターンアレックス熊野がバーンメアを絡めた大量展開をして攻撃してきたとしても、先ほど手札に加えた《百鬼の邪王門》を鬼エンドで発動することで墓地が肥え墓地の儀が達成。《零龍》が卍誕し盤面を更地にできる。

らふぁにぃも万全の状態でターンを返し、試合は終盤へと差し掛かっていた。

 そしてアレックス熊野の後攻7ターン目、ついにアレックス熊野が動く。

マナチャージなしから6マナ。先ほど回収した《バーンメア・ザ・シルバー》がついに降臨する。GRから《せんすいカンちゃん》《ジェイ-SHOCKER》を召喚し、攻撃に入る。

《せんすいカンちゃん》で攻撃時Jトルネードで《バーンメア・ザ・シルバー》を手札に戻しさらに2回GR召喚。《ジェイ-SHOCKER》《ダダダチッコ・ダッチー》を場に出し、さらに《ダダダチッコ・ダッチー》で捲れたのは《スゴ腕プロジューサー》。GRからは最強のドローソース《天啓CX-20》が場に。

しかしらふぁにぃの場の《デスマッチ・ビートル》の効果が発動。ブロッカーが残ることを嫌い《スゴ腕プロジューサー》を破壊する。

だが《スゴ腕プロジューサー》は場を離れるときにも効果が発動する。さらにGR召喚を行い、出てきたのはまさかの2体目の《天啓CX-20》。これで合計6枚をドローしたことになり、中盤で失ったリソースを一気に回復した。

ここで《せんすいカンちゃん》のブレイクが入る。S・トリガーはなくアレックス熊野はそのまま攻撃を継続する。

《ジェイ-SHOCKER》で攻撃時先ほど攻撃した《せんすいカンちゃん》をJトルネードし、次の自分のターンの初めまで相手の《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》やGRに多く含まれる4コストクリーチャーの召喚を封殺する。

しかしらふぁにぃもこれを黙ってって見ているわけではない。S・トリガーで《ツルハシ童子》を召喚し、山札上3枚を墓地に落とす。

そしてこの瞬間《零龍》最後の墓地の儀が達成され、相手ターン中ながら《零龍》が卍誕する。《零龍》効果でアレックス熊野の盤面を更地にし、これ以上の追撃を許さない。

これがバーンメアに《零龍》を入れる最大の利点だろう。《ツルハシ童子》《百鬼の邪王門》で純粋な受け性能を上昇させながら《零龍》で一気に盤面を返し、さらに返しのターンには場を離れないワールドブレイカーになる。

そしてらふぁにぃの8ターン目。《グレープ・ダール》をマナに置き打点を増やすべく《バーンメア・ザ・シルバー》を場に出す。《クリスマⅢ》《全能ゼンノー》が捲れるが《全能ゼンノー》はコスト4のため場には出ず、《クリスマⅢ》を場に残すにとどまる。

そしてらふぁにぃの攻撃。らふぁにぃの場には《零龍》の他に《ツルハシ童子》《クリスマⅢ》の合計7打点があり、ここでS・トリガーを踏めなければアレックス熊野の敗北が決まる。運命の《零龍》のワールドブレイク。果たして───

「S・トリガー3枚宣言します。《灰になるほどヒート》2枚と《りんご娘はさんにんっ娘》」

勝利の女神はアレックス熊野に微笑んだ。

アレックス熊野には《天啓CX-20》2体で得た手札がある。《灰になるほどヒート》から出てきたのは《バーンメア・ザ・シルバー》が2体。効果で《無限合体 ダンダルダBB》《せんすいカンちゃん》《全能ゼンノー》2体が場に。

さらに《りんご娘はさんにんっ娘》効果でブロッカーである《スゴ腕プロジューサー》を出しつつ効果で《ダダダチッコ・ダッチー》をGR召喚、さらにそこから《エモG》が捲れ、《エモG》効果で《無限合体 ダンダルダBB》をGR召喚する。

《バーンメア・ザ・シルバー》効果を先に使ったため《灰になるほどヒート》のバトル効果が使えないというプレイミスはあったものの、《全能ゼンノー》効果でらふぁにぃの《クリスマⅢ》は攻撃できず、《ツルハシ童子》の攻撃は《スゴ腕プロジューサー》でブロックすれば通らない。勝負は決したように見えた。

しかしらふぁにぃの手札には最後の逆転の目が残っていた。

「《ツルハシ童子》攻撃時、手札から鬼エンドで《百鬼の邪王門》唱えます。」

ここで《全能ゼンノー》2体を除去するカードを引けば、《クリスマⅢ》が再び攻撃できるようになる。果たして───

山札上4枚の中に、逆転のカードはなかった。

冷静に《スゴ腕プロジューサー》でブロックし、さらに《せんすいカンちゃん》をGR召喚する。

そして返しのアレックス熊野のターン。《エモG》の効果で《天啓CX-20》が捲れ、さらにリソースを回復する。

《奇天烈シャッフ》をマナに置き《本日のラッキーナンバー》で6を宣言。さらに《生命と大地と轟破の決断》でマナから《奇天烈シャッフ》2体を場に出し、3と5を宣言する。《デスマッチ・ビートル》で《奇天烈シャッフ》は破壊されるものの、アレックス熊野の場にはすでに十分すぎる打点がそろっていた。

《せんすいカンちゃん》攻撃時に《バーンメア・ザ・シルバー》をJトルネードで手札に戻し、さらに追加打点を用意し、盾を1枚削る。S・トリガーはない。

《無限合体 ダンダルダBB》攻撃時にさらにJトルネードを行い墓地の《本日のラッキーナンバー》をもう1度唱える。数字は4を宣言し、さらに盾を削っていく。S・トリガーはない。

これだけ大量の数字を止められたらふぁにぃに、もう逆転の可能性は残っていなかった。

《ダダダチッコ・ダッチー》で最後の盾を割り、《天啓CX-20》のダイレクトアタックで勝負は決した。

 

勝者 アレックス熊野

試合を通して光ったのはやはりらふぁにぃのデッキの完成度の高さだろう。

バーンメアから展開しなくても強力な打点や受けとしても機能する《零龍》を搭載し、リソース供給や詰めの場面で強い青を抜いて妨害に長けた黒を入れる戦略の強さは、この試合を通しても何度も見受けられた。

そしてそれを超えていったのがアレックス熊野のシータバーンメアの圧倒的な展開力、そして随所で光った運命力の強さだろう。

まさにフィーチャーするのにふさわしい、素晴らしい試合だった。