事前メタゲーム予想
はじめましての方ははじめまして。そうでない方はご無沙汰しております。KOUと申します。今回、紫紺杯とanekoさんが主催する特殊レギュレーションのリモート大会、『決闘王者ムシキング』(通称虫杯)に運営の1人として参加することになりました。
日程やルールなど詳しいことは紫紺杯公式のブログの方に纏められていますので、まだ見ていない人は先にそちらをご確認ください。
本記事ではタイトルの通り、今大会におけるメタゲーム予想を使用が予想されるデッキタイプやTireランクとともに行っていきます。
というわけで早速やっていきましょう。
予想されるデッキタイプ
今大会では6つの指定種族から合計20枚以上をデッキに入れる必要がありますが、その中でも特に使用が予想される種族があります。それが「グランセクト」 。新章デュエルマスターズで登場した種族ですが、双極篇にて《コンダマ/魂フエミドロ》《イチゴッチ・タンク/レッツ・ゴイチゴ》《オブラディ・ホーネット/Let it bee!》《黒豆だんしゃく/白米だんしゃく》等の優秀な初動が多数登場しており、これらを初動枠として採用することでデッキに無理なく指定種族を使うことができます。
そしてグランセクトには《スペリオル・シルキード》《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》《古代楽園モアイランド》等の強力なフィニッシャーも多数存在し、初動で指定種族枚数を補い、これらの強力なフィニッシャーを用いるビックマナ系が予想され、さらに受け札として《獅子王の紋章》を搭載することで受け的にも強化することができます。また、大型クリーチャーを早期に出せ、自身がグランセクトである《カブトリアル・クーガ/ミステリー・ディザスター》や《ミステリー・キューブ》等を使ったキューブデッキも予想されます。
しかしこれらのビックマナ系やキューブデッキには《音奏 プーンギ》でマナ加速呪文の使用を遅らせたり、《奇石 ミクセル》で《ミステリー・キューブ》の踏み倒しを防いだりとメタカードの通りが非常に良くなっています。また指定種族には以前の環境で活躍していた《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》がおり、先述のキューブ系統のデッキやサーチカードへの強力なメタカードとなるため、これらのカードを採用したメタビートや、《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》がツインパクトカードなので、それを利用したツインパクトコントロール、《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》がフィニッシャーとしても働くため、除去札で時間を稼ぎながら《Q.Q.QX./終葬 5.S.D.》のEX winを狙う除去コントロールが考えられます。
そして本大会ではGRクリーチャーの使用が許可されているので、オレガオーラも使うことができます。《ΓΛΧ ヴィトラガッタ》《百卍龍 プチョゲンム》がグランセクトのオレガオーラなので、これらと《極幻空 ザハ・エルハ》を利用したヴィトラガッタワンショットも活躍が期待できます。
ジャイアント・インセクトは種族にジャイアントを含むため、《西南の超人》《剛撃戦攻ドルゲーザ》等のジャイアントサポートを受けることができます。
《デスマッチ・ビートル》《電脳鎧胄アナリス》といった優秀な初動を自然に積むことができ、構築次第ではシノビドルゲーザを組むことも可能です。
このほかにも様々なデッキが活躍することが予想されます。
本大会にはデッキ賞もあり、優勝、佳作の方には景品も出ますので、皆さんぜひ自分だけのオリジナルデッキを考えてみてください。
紫紺杯公式がサンプルリストをブログに公開しているので、そちらもぜひご覧ください。
予想Tireランキング
ここまでのことを踏まえて、運営で予想されるデッキのTire表を作成しました。あくまで予想ですので、その点はご注意ください。
Tire1
緑t白轟破天九十九語/緑t白キューブ
緑ベースのビッグマナ。
受け札として獅子王の紋章を搭載できる。
シルキードが受けの要。
ファッティで押しつぶすタイプやユニバースEXWINの構築が予想される。
メタビート
緑+αで構築されるメタビートデッキ。
QQQXは環境を見て採用されるかも。
呪文やミステリー・キューブを妨害できる。
トラップコントロール
緑単色で構成された除去コントロール。
トラップ系の受け札が豊富、QQQXのEXLOSEやQQQX+緑バラギで安全に勝利可能
黒緑ツインパクト
緑単ツインパクトに近い構成。
ロスト・ソウルなどのハンデスプランも保有できるようになったためより動きが柔軟に。
Tire2
青緑ヴィトラガッタ
オレガオーラをベースとしたワンショットデッキ。
意外とトリガーが多いためビートダウンに強いビートダウンといった印象。
青緑シノビドルゲ
ジャイアントを活かしてドルゲーザーによるリソース確保につなぐ。
デスマッチ・ビートルを能動的に積みやすい。
リソース確保が他コントロール以上に上手。
Tire3以下
緑単バードリアント
グランセクト版バルガライザー
めくりの一撃一撃が重いため殺傷力高め
最後に
本大会で指定されている種族のカードは、10年以上前のものも多く存在します。押入れに眠っている小学生のころ、中学生のころに切り札だったカードが使えるかもしれません。ストレージや押入れを探してみて思わぬカードが使えるかもしれません。
せっかくの特殊レギュレーションですのでそういった「構築」の場面でも、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
本大会へのご参加、お待ちしております。
※本記事で誤字、脱字、不備などございましたらKOU(こー)(@KOU_anikou)までご連絡ください。
第0回もぐらびと杯 決勝戦(3回戦)フィーチャー iclucianVSすばるな
注意
この記事はもぐらびと杯決勝(3回戦)のカバレージです。1.2回戦を見てない方はそちらから。
決勝戦 iclucianVSすばるな
2度の試合を勝ち抜き、決勝の舞台へコマを進めたのはこの2名。
すばるなは2回戦でもフィーチャーした旅路ジョーカーズの使い手。2回戦ではペルソナ相手に危なげなく勝利し、優勝を狙う。iclucianは、自作デッキでデュエマフェス優勝やCSベスト8を取ったこともあるプレイヤー。今大会でも自作のトリーヴァチェンジザを使い奈月、アレックス熊野を下しこの決勝の舞台へあがってきた。
この決勝を制し、第0回もぐらびと杯王者の栄冠をつかむのはどちらか。決勝の幕が上がった。
先行 iclucian(以下、イクルシアン)
先行を取ったイクルシアンは、1、2ターン目に《雷光の聖騎士》《煌龍 サッヴァーク》をマナに置き3ターン目に《イメンズ・サイン》をチャージから《「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》をプレイ。マナに落ちたのは《特攻隊挑 鬼流院 刃》。追加ブーストは失敗するも、立ち上がりとしては上々の動きを見せる。
すばるなは《アイアン・マンハッタン》《バンオク・ロック》をマナに埋め2ターン目に《タイク・タイソンズ》を召喚。
さらに3ターン目には《バンオク・ロック》チャージから《タイク・タイソンズ》攻撃時Jチェンジで《バンオク・ロック》を場へ。
《タイク・タイソンズ》効果で《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》がマナへ行き、《バンオク・ロック》効果で《The ジョギラゴン・アバレガン》が場に出る。マナと場を着々と整え、ループへの準備を進める。
イクルシアンは4ターン目、《水の魔術師マジックス》チャージから《超GR・チャージャー》を唱える。
《ポクタマたま》が場に出ると、さらに2マナを使い《奇石ミクセル》を召喚する。これですばるなのループ始動を遅らせることができる。
しかしすばるなもこれを黙ってみているわけではない。《熊四駆べアシガラ》をマナに置くと《モモダチ モンキッド》を召喚し《タイク・タイソンズ》をマナに落とす。
さらに先ほどのターンマナに戻った《バンオク・ロック》をもう一度召喚し《バツトラの父》が場に出る。ターン終了時に再び《バンオク・ロック》がマナに戻り、すばるなのマナは7。
これで《ジョットガン・ジョラゴン》が《奇石ミクセル》に引っかからなくなり、すばるなが大手をかける。
そしてイクルシアンの5ターン目、《綺羅王女プリン》をチャージから《龍装艦チェンジザ》を召喚する。ここで捨てる呪文でなんとかすばるなを妨害したいが、《六奇怪の四~土を割る逆瀧》を捨てるにとどまり、そのままターンを返す。
そしてここからは、2回戦でも見たようにすばるなの独り舞台となった。
《バイナラドア》をマナに埋めると前ターン同様マナから《バンオク・ロック》を召喚し、GRゾーンから《Theジョラゴン・ガンマスター》が場に出る。そして場のクリーチャー3体を手札に戻し、《ジョットガン・ジョラゴン》が4マナで降臨する。
《Theジョラゴン・ガンマスター》で攻撃を宣言し、「超天フィーバー」を発動する。手札から《バンオク・ロック》《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》《アイアン・マンハッタン》の3枚を捨て、イクルシアンの場を壊滅させながら《ジョットガン・ジョラゴン》の効果でその3枚の効果がすべて誘発し、ループが開始する。
《アイアン・マンハッタン》のブレイクで《ハンター☆エイリアン仲良しビーム》を踏み《ジョットガン・ジョラゴン》をマナに送ったものの、《ガヨウ神》効果で手札を増やされ、《キング・ザ・スロットン7》《バンオク・ロック》効果で盤面には大量のクリーチャー。《燃えるデット・ソード》効果でマナと手札を奪われたイクルシアンに、もはや勝ち目はなかった。
《六奇怪の四~土を割る逆瀧》効果でダイレクトアタックまではいけず、すばるなはターンを返すが、
「返せるカードないので投了します」
勝者 すばるな
この試合に関して言えば、まさにすばるなの独壇場であったといえるだろう。序盤にしっかり初動をプレイするところから始まり、中盤、終盤も隙のないプレイで見事優勝を勝ち取った。
これにて第0回もぐらびと杯は全工程が終了。大会を通して特に大きなトラブルもなく、非常にスムーズに大会が行えた。
今回大会に参加してくださったプレイヤーの方々。そして大会を運営してくれたもぐらびとのメンバーへの感謝をもって、全3回にわたるもぐらびと杯カバレージの締めとさせていただきます。ありがとうございました。
最終結果(上位4名)
1位:すばるな
2位:iclucian
3位:めいぱん
4位:まっちゃらて
第0回もぐらびと杯 2回戦フィーチャー ペルソナVSすばるな
注意
この試合はタイトルの通り第0回もぐらびと杯の2回戦フィーチャーです。まだ1回戦のカバレージを見ていない方はそちらからどうぞ。
2回戦 ペルソナVSすばるな
もぐらびと杯、2回戦のフィーチャーに選ばれたのはこの2名。
ペルソナは大阪を中心に活動しているプレイヤーで、CSでも結果を残している。今大会は大会主催チームのもぐらびとからWANTEDプレイヤーとして参加しており、蒼龍革命のカードを使ったラッカカラーの革命チェンジを使い1回戦でまっちゃらてを下し勝ち上がってきた。
対するプレイヤーはすばるな。島根を中心に活動するプレイヤーであり、プレイダーズ.chというDMYouTubeチャンネルのメンバーの一員として活動している。CSでも入賞経験があり、紛れもない強者だ。今大会では旅路ジョーカーズを使用し、めいぱんを倒しこの舞台に上がってきた。
この勝負に勝ったものが、決勝への切符を得ることができる。お互い火力の高い攻撃的デッキ。決勝の椅子をかけた殴り合いが、始まる。
先行 ペルソナ
先行を取ったペルソナは、1ターン目に《蒼き団長 ドギラゴン剣》、2ターン目に《ボルシャック・サイバーエクス》をマナに置き、3ターン目以降に備える。
一方のすばるなは《ジョットガン・ジョラゴン》《モモダチ モンキッド》をマナに埋め2ターン目に《タイク・タイソンズ》を召喚する上々の立ち上がり。
《モモダチ モンキッド》を埋めたことで次ターンに《タイク・タイソンズ》の攻撃からJチェンジを行い2ブーストするプランが取れるようになり、4ターン目の《ジョットガン・ジョラゴン》着地が視野に入る。
しかしペルソナも黙ってこれを見逃さない。《凰翔竜機バルキリー・ルピア》をマナに置くと2マナで《メッチャ映えタタキ》をプレイ。効果ですばるなの《タイク・タイソンズ》を破壊し、すばるなのプランを崩す。
すばるなの3ターン目、《キング・ザ・スロットン7/7777777》をマナに置き《ぽくちんちん》を召喚。墓地リセットは相手を選択し、さらにペルソナのマナにある《蒼き団長 ドギラゴン剣》をはじめとする革命チェンジ持ちクリーチャーを牽制する。
ペルソナは4ターン目、《チャラ・ルピア》をマナに置くと《終末の時計ザ・クロック》を召喚。ここで《チャラ・ルピア》を召喚せず《終末の時計ザ・クロック》を召喚することには、ペルソナのどんな意図が隠されているのか。
すばるなは4ターン目、前ターンと続けて《キング・ザ・スロットン7/7777777》をマナに埋め、ここで殿堂カードである最強のドローソース《ガヨウ神》を召喚。2ドローし手札の《モモダチ モンキッド》を捨て追加の2ドロー。
さらにここで《ガヨウ神》が場にいることにより《ジョットガン・ジョラゴン》を場に出すとき《ガヨウ神》を手札に戻せばその後の展開はさらに強くなる。
そしてペルソナの5ターン目、ついにペルソナが動く。マナチャージなしから4マナ、《エヴォ・ルピア》を召喚し、効果で1ドローしたのち手札から《革命龍程式 シリンダ》を効果で場に出す。
ここで前のターンに《終末の時計ザ・クロック》を場に出した真意が分かった。《革命龍程式 シリンダ》の効果は場の水のクリーチャーの数だけドローできる。《終末の時計ザ・クロック》が場にいることにより合計で2ドローできるため、枯れかけていたリソースを回復する狙いがあったのだ。
しかし、ペルソナはここで最も大切なことを完全に失念していた。
「じゃあぽくちん効果で山札下で」
「あっっ...」
すばるなの場にいた《ぽくちんちん》はコストを支払わないクリーチャーの出現を咎める。それは革命チェンジだけでなく、当然《エヴォ・ルピア》の効果で場に出た《革命龍程式 シリンダ》にも適用される。
盤面に残ったのは前ターン出していた《終末の時計ザ・クロック》が1体のみ。泣く泣くターンを返す。
そしてここからは、すばるなの独壇場だった。
《タイク・タイソンズ》をマナに埋めると《ジョットガン・ジョラゴン》を宣言。場にいた《ガヨウ神》を手札に戻し6マナで召喚すると、そのまま攻撃に入る。
《ジョットガン・ジョラゴン》攻撃時効果で1ドローすると手札から《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》を捨て、その効果を使用する。
《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》効果でさらに《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》を捨てたことにより、《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》の効果が《ジョットガン・ジョラゴン》効果と《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》効果の合計2回分のストックがたまる。
効果を1回使い、1ドローしたのち先ほど回収した《ガヨウ神》を捨て、その効果を2回溜める。効果を1度使い、2ドローしたのち《バンオク・ロック》を捨てさらに2ドロー。《バンオク・ロック》が捨てられたことで《ジョットガン・ジョラゴン》の効果が発動。《バンオク・ロック》効果を使い1回GR召喚し、《The ジョラゴン・ガンマスター》が場に出る。
そして残っている《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》効果を使い、捨てたのは3枚目の《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》。先程と同様に《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》効果が2回溜まり、効果を1回使う。
捨てたのは《燃えるデット・ソード》。《ガヨウ神》の時と同様に効果が2回溜まり、1回を使用する。ペルソナの場、マナ、手札から1枚ずつ山札の下に送り、自分は3ドローと莫大なアドバンテージを取る。
これが「旅路ジョーカーズ」の怖さにして、最大の強みだろう。1年ほど前に活躍していた従来のジョラゴンジョーカーズに比べ、ループに入る速度やループへの入りやすさ。さらに有限ループであっても盤面を広げ、《燃えるデット・ソード》《キング・ザ・スロットン7/7777777》などを使いまわし莫大なアドバンテージを取ることができる。
この後も《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》《ガヨウ神》《バンオク・ロック》《燃えるデット・ソード》《キング・ザ・スロットン7/7777777》《アイアン・マンハッタン》《ポクチンちん》などを使いまわし、ペルソナを追い詰めていく。
《アイアン・マンハッタン》のブレイクで《バーニングレイジ》を踏むものの、《ポクチンちん》《ジョラゴン・ガンマスター》を破壊するのみ。
そして長いループが終わり、遂に《ジョットガン・ジョラゴン》のブレイクが通る。
「S・トリガーヘブンズフォース。───出すもの何にもないです!」
この盤面をひっくり返せるカードは、ペルソナのデッキには入っていなかった。
勝者 すばるな
この試合は、終始すばるなのペースだった。序盤は《モモダチ モンキッド》をマナに埋め《タイク・タイソンズ》を召喚する完璧な立ち上がりから入り、中盤には殿堂カードの《ガヨウ神》をきちんと手札に持っており、そして最後は旅路ジョーカーズの強みを存分に生かした。すばるなの完勝と言えるだろう。
第0回もぐらびと杯 1回戦フィーチャー らふぁにぃVSアレックス熊野
初めに
2020年10月27日、DMチームもぐらびと(土屋杏、声人、ペルソナ)が主催するもぐらびと杯、その試験大会であるプレリリースが行われた。
本大会は大会運営のもぐらびとメンバーと親交のある7名に、WANTEDプレイヤーとしてもぐらびとのメンバーペルソナを加えた合計8名で行われ、スイスドロー全3回戦で優勝を決める。
本ブログでは全3回戦の大会のうち、各回戦のフィーチャー席のカバレージを投稿するが、本記事はその一試合目である。
1回戦 らふぁにぃVSアレックス熊野
1回戦。まずはここに勝って勢いに乗りたいところだが、フィーチャーに選ばれたのはこの2名。
らふぁにぃは自身のYouTubeでリモート大会「VDuel」を主催しており、さらにDMYouTuberの専属デッキビルダーも務めている。リモート大会にも精通しており、その実力は確かだ。
対するはアレックス熊野。茨城を中心に活動しており、リモートチーム戦で優勝経験もあるDMチーム「Grabbed Freedom」のメンバーでもある。直近のリモートチーム戦でも優勝しており、こちらもまぎれもない強者。
そんな2名が選択したデッキは、奇しくも同じ《バーンメア・ザ・シルバー》を用いたデッキ。しかしその構築は似て非なるものだ。
アレックス熊野が使うのは青赤緑、一般的に「シータバーンメア」と呼ばれる型で、最もオーソドックスな型と言えるだろう。
一方らふぁにぃが使うのは黒赤緑、デアリカラーと呼ばれる3色で構築されたバーンメアだが、《零龍》なども搭載されており一般的にはあまり見かけない構築となっている。
シータのアレックス熊野か。デアリのらふぁにぃか。異色の同型対決の火蓋が切られた。
先行 らふぁにい
先行を取ったらふぁにぃだったが、2ターン目にマナ加速を行えず《百鬼の邪王門》《エモG》をマナに置くのみに留まる。それでも3ターン目に《お清めシャラップ》をプレイし、マナに《バーンメア・ザ・シルバー》を落とす。これで《グレープ・ダール》のJチェンジから展開するプランも視野に入り、上々の立ち上がりと言えるだろう。
一方のアレックス熊野も2ターン目に《フェアリー・ライフ》、3ターン目には《バーンメア・ザ・シルバー》をマナに置き《霞み妖精ジャスミン》をプレイ。こちらもしっかり初動を引いており、序盤は両者互角の戦いだ。
状況が動いたのはらふぁにぃの4ターン目。《ムシ無視のんのん/灰になるほどヒート》をチャージから5マナで《絶望と反魂と滅殺の決断》をプレイ。2ハンデスを選択し、アレックス熊野の行動をしっかりと妨害していく。
返しのターンにアレックス熊野もマナチャージから《ウマキン・プロジェクト》を召喚し《生命と大地と轟破の決断》をマナに送りながら手札を回復させるものの、らふぁにぃは5ターン目に先ほど唱えた《絶望と反魂と滅殺の決断》を墓地からもう一度発動する。
回復しきっていない手札を叩き落しアレックス熊野の手札は0枚になり、さらにここで《零龍》の手札の儀が発動。GRゾーンから《無限合体 ダンダルダBB》を場に出し、らふぁにぃが完全にペースを握った。
しかしアレックス熊野もやれっぱなしではない。ここで先ほど《ウマキン・プロジェクト》でマナに落ちた《生命と大地と轟破の決断》が活きる。
ドローした《洗脳センノー》をそのままマナに送り、マナから《生命と大地と轟破の決断》を発動。効果で《ウマキン・プロジェクト》《洗脳センノー》を場に出し、リソースを回復させつつらふぁにぃの動きを牽制する。
さらに《ウマキン・プロジェクト》のドローで手札に来た《フェアリー・ライフ》を唱え、マナをほとんどのカードが使用できる7マナまで伸ばす。
そしてらふぁにぃの 6ターン目。《フェアリー・ライフ》をマナに埋め《デスマッチ・ビートル》を場に出す。これでアレックス熊野の《灰になるほどヒート》《グレープ・ダール》からのバーンメアを絡めた大量展開を封じたことになる。
さらに残ったマナで《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》を場に出し、邪魔な《洗脳センノー》を破壊しアレックス熊野をさらに追い詰める。
しかしアレックス熊野は、ここで数少ない回答をトップで引き当てる。
「チャージなし、7マナでステゴロカイザー召喚します」
デッキに1枚しか入っていない《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》をここで引いてくる。これが、「強者」
《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》で《無限合体 ダンダルダBB》を破壊しながらマナ加速、さらにマナの《バーンメア・ザ・シルバー》を回収。次のターンに向けて万全の状態を整えてターンを返す。
らふぁにぃの7ターン目、《フェアリー・ライフ》をマナに埋め、《百鬼の邪王門》をプレイ。《ツルハシ童子》を場に出し、《百鬼の邪王門》の効果で《ウマキン・プロジェクト》とバトル。スレイヤー効果で相打ちになりつつ、墓地からグレープダールを回収しながらさらに《零龍》復活の儀を達成させていく。
そして場にいた《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》でタップされている《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》を攻撃。《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》はスレイヤーのため、《闘争類拳嘩目ステゴロ・カイザー》と相打ちになる。
さらにこれで《零龍》の破壊の儀を達成したため、残されているのは墓地の儀のみ。仮に次のターンアレックス熊野がバーンメアを絡めた大量展開をして攻撃してきたとしても、先ほど手札に加えた《百鬼の邪王門》を鬼エンドで発動することで墓地が肥え墓地の儀が達成。《零龍》が卍誕し盤面を更地にできる。
らふぁにぃも万全の状態でターンを返し、試合は終盤へと差し掛かっていた。
そしてアレックス熊野の後攻7ターン目、ついにアレックス熊野が動く。
マナチャージなしから6マナ。先ほど回収した《バーンメア・ザ・シルバー》がついに降臨する。GRから《せんすいカンちゃん》《ジェイ-SHOCKER》を召喚し、攻撃に入る。
《せんすいカンちゃん》で攻撃時Jトルネードで《バーンメア・ザ・シルバー》を手札に戻しさらに2回GR召喚。《ジェイ-SHOCKER》《ダダダチッコ・ダッチー》を場に出し、さらに《ダダダチッコ・ダッチー》で捲れたのは《スゴ腕プロジューサー》。GRからは最強のドローソース《天啓CX-20》が場に。
しかしらふぁにぃの場の《デスマッチ・ビートル》の効果が発動。ブロッカーが残ることを嫌い《スゴ腕プロジューサー》を破壊する。
だが《スゴ腕プロジューサー》は場を離れるときにも効果が発動する。さらにGR召喚を行い、出てきたのはまさかの2体目の《天啓CX-20》。これで合計6枚をドローしたことになり、中盤で失ったリソースを一気に回復した。
ここで《せんすいカンちゃん》のブレイクが入る。S・トリガーはなくアレックス熊野はそのまま攻撃を継続する。
《ジェイ-SHOCKER》で攻撃時先ほど攻撃した《せんすいカンちゃん》をJトルネードし、次の自分のターンの初めまで相手の《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》やGRに多く含まれる4コストクリーチャーの召喚を封殺する。
しかしらふぁにぃもこれを黙ってって見ているわけではない。S・トリガーで《ツルハシ童子》を召喚し、山札上3枚を墓地に落とす。
そしてこの瞬間《零龍》最後の墓地の儀が達成され、相手ターン中ながら《零龍》が卍誕する。《零龍》効果でアレックス熊野の盤面を更地にし、これ以上の追撃を許さない。
これがバーンメアに《零龍》を入れる最大の利点だろう。《ツルハシ童子》《百鬼の邪王門》で純粋な受け性能を上昇させながら《零龍》で一気に盤面を返し、さらに返しのターンには場を離れないワールドブレイカーになる。
そしてらふぁにぃの8ターン目。《グレープ・ダール》をマナに置き打点を増やすべく《バーンメア・ザ・シルバー》を場に出す。《クリスマⅢ》《全能ゼンノー》が捲れるが《全能ゼンノー》はコスト4のため場には出ず、《クリスマⅢ》を場に残すにとどまる。
そしてらふぁにぃの攻撃。らふぁにぃの場には《零龍》の他に《ツルハシ童子》《クリスマⅢ》の合計7打点があり、ここでS・トリガーを踏めなければアレックス熊野の敗北が決まる。運命の《零龍》のワールドブレイク。果たして───
「S・トリガー3枚宣言します。《灰になるほどヒート》2枚と《りんご娘はさんにんっ娘》」
勝利の女神はアレックス熊野に微笑んだ。
アレックス熊野には《天啓CX-20》2体で得た手札がある。《灰になるほどヒート》から出てきたのは《バーンメア・ザ・シルバー》が2体。効果で《無限合体 ダンダルダBB》《せんすいカンちゃん》《全能ゼンノー》2体が場に。
さらに《りんご娘はさんにんっ娘》効果でブロッカーである《スゴ腕プロジューサー》を出しつつ効果で《ダダダチッコ・ダッチー》をGR召喚、さらにそこから《エモG》が捲れ、《エモG》効果で《無限合体 ダンダルダBB》をGR召喚する。
《バーンメア・ザ・シルバー》効果を先に使ったため《灰になるほどヒート》のバトル効果が使えないというプレイミスはあったものの、《全能ゼンノー》効果でらふぁにぃの《クリスマⅢ》は攻撃できず、《ツルハシ童子》の攻撃は《スゴ腕プロジューサー》でブロックすれば通らない。勝負は決したように見えた。
しかしらふぁにぃの手札には最後の逆転の目が残っていた。
「《ツルハシ童子》攻撃時、手札から鬼エンドで《百鬼の邪王門》唱えます。」
ここで《全能ゼンノー》2体を除去するカードを引けば、《クリスマⅢ》が再び攻撃できるようになる。果たして───
山札上4枚の中に、逆転のカードはなかった。
冷静に《スゴ腕プロジューサー》でブロックし、さらに《せんすいカンちゃん》をGR召喚する。
そして返しのアレックス熊野のターン。《エモG》の効果で《天啓CX-20》が捲れ、さらにリソースを回復する。
《奇天烈シャッフ》をマナに置き《本日のラッキーナンバー》で6を宣言。さらに《生命と大地と轟破の決断》でマナから《奇天烈シャッフ》2体を場に出し、3と5を宣言する。《デスマッチ・ビートル》で《奇天烈シャッフ》は破壊されるものの、アレックス熊野の場にはすでに十分すぎる打点がそろっていた。
《せんすいカンちゃん》攻撃時に《バーンメア・ザ・シルバー》をJトルネードで手札に戻し、さらに追加打点を用意し、盾を1枚削る。S・トリガーはない。
《無限合体 ダンダルダBB》攻撃時にさらにJトルネードを行い墓地の《本日のラッキーナンバー》をもう1度唱える。数字は4を宣言し、さらに盾を削っていく。S・トリガーはない。
これだけ大量の数字を止められたらふぁにぃに、もう逆転の可能性は残っていなかった。
《ダダダチッコ・ダッチー》で最後の盾を割り、《天啓CX-20》のダイレクトアタックで勝負は決した。
勝者 アレックス熊野
試合を通して光ったのはやはりらふぁにぃのデッキの完成度の高さだろう。
バーンメアから展開しなくても強力な打点や受けとしても機能する《零龍》を搭載し、リソース供給や詰めの場面で強い青を抜いて妨害に長けた黒を入れる戦略の強さは、この試合を通しても何度も見受けられた。
そしてそれを超えていったのがアレックス熊野のシータバーンメアの圧倒的な展開力、そして随所で光った運命力の強さだろう。
まさにフィーチャーするのにふさわしい、素晴らしい試合だった。
第4回挑龍杯 決勝戦 声人VS渡飴
挑龍杯 決勝戦。決勝に顔をそろえたのは初対面の2人。
声人は今回初の外部参加。使用デッキはドロマーコントロール。声人は様々なオンライン大会で結果をしっかりと残している強者。しかし事前に話を聞いたところ
「渡飴選手には絶対にあたりたくない」と発言していた。
そして対するは声人が一番警戒していた渡飴。第2回挑龍杯では優勝しており、その実力は挑戦龍派1と噂されている。使用デッキは「闇」チェンジザ。なお、決勝戦のみ2本先取の対決となり、プレイングの制度はもちろんのこと、考え続ける集中力も必要とされる。
挑龍杯では珍しいコントロールデッキ対決。強者同士の決勝戦が、始まる。
1本目先行 声人
2ターン目まではお互い行動はなく、声人はドレミ団の光魂GOとエターナルガード。渡飴はハヤブサマルとスペルサイクリカをマナに埋める。
声人は3ターン目、禁者のカルマカレイコを召喚。これで実質的に渡飴のマナブーストを封じたことになる。さらに4ターン目、声人はDGを召喚。さらに妨害の体制を強化する。
返しの渡飴4ターン目、渡飴はステゴロカイザーをマナに置き本日のラッキーナンバーをプレイ。数字は5を宣言し、次のターンのナウオアネバー→Vチャロンからの盾消失コンボを防ぐ。
声人は5ターン目、スペルサイクリカをマナに置きロジックスパークを唱える。盾を確認しながらナウオアネバーを回収。次のターン、渡飴が呪文を妨害できなければ盾消失コンボがほぼ確定してしまう。
しかしそこはさすがの渡飴。九番目の旧王をチャージからジャミングチャフをプレイ。声人のフィニッシュを妨害し、なんとか命をつなぐ。
声人はナウオアネバーをチャージするのみに留まり、思うように行動できない。
渡飴の6ターン目、サイゾウミストをマナに埋め追加のジャミングチャフ。流れは完全に渡飴に来ている───かのように見えた。
渡飴は失念していたのだ。Vチャロンは必ずしもナウオアネバーから出てくるものではない。
7ターン目、声人はVチャロンをチャージし7マナでVチャロンを召喚。
「あっ、そうか…」
渡飴の口から思わず声が漏れた。
Vチャロンの効果で手札を全て山札の下に置き、その枚数分をドローする。そしてその後、シールドも同様に山札の下に置き、その枚数分をシールドとして追加する。しかしここで3ターン目に場に出したカルマカレイコの効果が誘発。シールドゾーンにカードは置かれず、渡飴のシールドがすべて消し飛んだ。
これこそ、アクアパトロールをプレミアム殿堂に送り込んだ凶悪コンボ「ラストパトロール」の後継。1ターン目にハヤブサマルをマナに置いた渡飴に、逆転の可能性はなかった。
1本目勝者 声人
2本目先行 渡飴
2本目は負け先が適応され、渡飴が先行。
しかしまたしても2ターン目にフェリーライフをプレイできず、逆に声人は返しの2ターン目にDGを召喚。再び渡飴のマナ加速を妨害する。
3ターン目、渡飴はシャイニーホールをチャージからオリオティスジャッジを唱えなんとかDGを除去するも、声人はヘブンズキューブをマナに埋め追加のDGを召喚し、渡飴を苦しめる。
渡飴はステゴロカイザーをマナに置くのみに留まり、苦しい展開が続く。声人はさらにカルマカレイコをチャージしながらファイナルストップを唱え、呪文の詠唱も封じていく。渡飴は5ターン目もサイゾウミストをマナに埋めターンを返す。
完全に流れを取っている声人の5ターン目。スペルサイクリカをチャージしながら解体事変を唱え、渡飴の手札を見て1枚ハンデスする。渡飴の手札はチェンジザが2体とミクセルが1体。声人は少し考えた後ミクセルを選択し、ターンを返す。
渡飴はトップで引いた単色のオリオティスジャッジをマナに埋めチェンジザを召喚。リソースが不足しており、2体目のチェンジザを手札に抱えておきたかった渡飴にとって、この単色のマナチャージはありがたい。チェンジザ効果で2枚をドローし、メメント守神宮を墓地へ送る。
声人はマナチャージなしからナウオアネバーを唱え、手札のスペルサイクリカを出し入れする。そしてサイクリカ効果で墓地のナウオアネバーを手札に戻しながら使用。サイクリカを再び出し入れして墓地から4ターン目に唱えたファイナルストップを詠唱しなが手札へ。このコンボを利用すれば声人は毎ターン任意のコスト5以下の呪文を唱えることができ、渡飴にとっては厳しい展開が続く。
7ターン目、渡飴はロールモデルタイガーをチャージし抱えてた2体目のチェンジザを召喚。しかしここで先ほどの声人のファイナルストップが効いてくる。チェンジザ効果で2枚ドローし捨てたのはハヤブサマル。殴ることはせずターンを返す。
声人はシルトをマナに置き、前のターン回収したファイナルストップを唱え渡飴の行動を縛っていく。
渡飴は厳しい展開の中、チャージなしからミクセルを召喚。そして攻撃に転じる。
チェンジザで盾を攻撃時、2枚ドローからオリオティスジャッジを墓地へ。ファイナルストップの効果で能力は使えないが手札をしっかりと補充する。
声人はシールドトリガーでヘブンズキューブを発動。本日のラッキーナンバーを回収し次のターンに備える。
しかし渡飴は怯まず攻撃を継続。2体目のチェンジザで攻撃し手札を増やしながらロールモデルタイガーを墓地へ。この2点は通り声人の盾を1枚まで削る。
声人はエターナルガードをチャージからヘブンズキューブで回収したラッキーナンバーをプレイ。5を宣言し、ホール呪文やジャミングチャフを止める。さらに3マナでシルトを召喚し、手札から盾を1枚増やす。渡飴は盾追加をせず、そのままターンを受ける。
9ターン目、フェアリーライフをマナに埋め4マナでジェ霊ニーを召喚。GR召喚し出てきたのはマーチス。マナドライブを達成しているのでもう1度GR召喚。出てきたのはヨミジ。自壊して5ターン目にハンデスされたミクセルを蘇生する。
そしてチェンジザで盾を攻撃するとき2枚ドローし、手札から捨てたのは本日のラッキーナンバー。チェンジザ2体の効果が発動しラッキーナンバーの効果を2度使う。宣言した番号は5と6。
この場面の回答であるナウオアネバー、ドレミ団の光魂GOをしっかりとケアし、もう1体のチェンジザでとどめを刺した。
2本目勝者 渡飴
ここまで2本を終え、試合時間は30分を越した。両者一歩も引かない互角の展開。
次を取った方が、第4回挑龍杯王者。勝っても景品が出るわけではない。ただ、勝者の称号を得られるのみ。最終3本目が始まった。
3本目先行 声人
3本目に負け先は適応されないものの、自力で先行を奪い取った声人。
両者2ターン目まではマナチャージのみにとどまっていたが先に動いたのは声人。スペルサイクリカをマナに置きながらカレイコを召喚。コンボの用意を進めると同時に渡飴のマナ加速を阻害する。
しかし渡飴も動じない。シャイニーホールをマナに置きオリオティスジャッジをプレイ。しっかりとカレイコを除去する。
しかし、声人はさらにその上を行っていた。
シルトをマナに置くと2体目のカレイコを召喚。このデッキにはカレイコは2枚しか入っておらず、声人は序盤でその2枚を手札に抱えていた。
渡飴の手札には、このカレイコをどかすカードはなかった。フェアリーライフをマナに埋めターンを返す。
そして声人の5ターン目、マナに置いたのは単色のWaveウェイブ。手札から唱えられるのはラストパトロールの時代にはなかった必殺兵器。
「ナウオアネバー唱えて、効果でVチャロンを出し入れします!」
1本目で見せた盾消失コンボ。この大事な局面でしっかりとすべてのパーツをそろえてきた。これが、現代のラストパトロール。
手札を4枚入れ替えた渡飴の手札に、最後の希望ハヤブサマルはなかった。
勝者 声人
40分近く行われた大激闘の末勝利したのは声人。あの土壇場で最速の動きを通してくる。これが強者なのだろう。
これにて、第4回挑龍杯は終了した。第5回に声人は出場するのか。渡飴はリベンジできるのか。今後も注目だ。
最終結果
1位 声人 使用デッキ ドロマーコントロール
2位 渡飴 使用デッキ 「闇」チェンジザ
3位 野沢菜 使用デッキ 不死鳥NEXT
4位 ヤマP 使用デッキ 不死鳥NEXT
第4回挑龍杯 3位決定戦 野沢菜VSヤマp
決勝戦に先駆けて行われた3位決定戦。決勝戦には挑戦龍派主軸メンバーの2人が顔をそろえた。
ヤマPは前回大会優勝者。今大会は準決勝で声人に敗れ、気持ちを切り替え3位決定戦に臨む。
対するは挑戦龍派リーダー野沢菜。初戦で初代龍王の称号を持つモナーに見事勝利するも、準決勝で優勝候補筆頭の渡飴に惜しくも敗北。3位決定戦にコマを進めた。
お互い手の内は知り尽くしているものの、挑龍杯で対戦するのはこれが初めて。デッキはお互い不死鳥NEXTのミラー戦。勝負を分けるのはいかに相手より先に走り出せるか。荒れる予感しかしない超攻撃的なミラー戦が、始まる。
先行 ヤマP
1ターン目、ヤマPはグレンモルト刃を、野沢菜はモーツァルトマナに埋める。今大会は事前にデッキリストが公開されており、ヤマPのリストを見ると緑単色のカードは1枚もない。赤緑複合色を埋めた野沢菜が1歩リードした形だ。
2ターン目、ヤマPはシシオーカイザーをマナに埋め、次のターンの動きに備える。
ここで野沢菜が動く。ドラゴ大王をマナに埋めると2マナをタップし、メンデルスゾーンをプレイ。モーツァルトとドラゴ大王をマナに落とし、次のターンに最速で不死鳥の術を唱える構えだ。
ヤマPも負けじと龍装チュリスをマナに埋めメンデルスゾーンをプレイ。不死鳥の術とボルシャックドラゴンが捲れ、1ブーストのみに留まる。順当にいけば次のターンには不死鳥の術を打てる5マナに到達する。
だが、このミラー戦はその1ターンの遅れを決して許さない。
野沢菜の3ターン目、火単色のグレンモルト刃をマナに落とすと、しっかり不死鳥の術を唱える。ドキンダムの封印を上から2枚を墓地へ送る。落ちたカードはボルシャックドラゴンと───野沢菜の魂の相棒モルトNEXT。マナにはしっかりと火文明ドラゴンが5体揃っている。
野沢菜はモルトNEXTにバトガイ刃斗し、攻撃に移る。盾を攻撃するときバトガイ効果で捲れたのはボルシャックドギラゴン。泣く泣く山札の下に送り、ヤマPの盾を2枚削る。ヤマPはシールドトリガーでシシオーカイザーを場に出す。ドギラゴールデンをマナに落とし封印を一枚剥がす。これでヤマPは次のターン7マナに到達し、不死鳥の術だけでなくモルトNEXTの召喚も視野に入る。
だがそれは、ヤマPが次のターンを迎えられればの話だ。
モルトNEXTをアンタップし、再び盾を攻撃する。再度バトガイ効果が発動する。───捲れたのはグレンモルト刃。効果で野沢菜はバトガイ刃斗を装備。そしてバトガイ刃斗は龍解しバトガイ銀河へ。
これによりダイレクトアタックまでの打点ができた。モルトNEXTの攻撃は通り、野沢菜の攻撃フェイズが継続する。
バトガイ銀河で攻撃時、自身の効果で1ドローした後手札から出てきたのはとどめを刺す2体目のモルトNEXT。バトガイ銀河の攻撃も通り、ヤマPの盾はすべて消し飛んだ。
「グレンモルト刃でダイレクトアタック」
「ボルシャックドギラゴンありません!」
勝者 野沢菜
「モルトNEXTを愛する気持ちが勝ちにつながったと思います!」
試合後、野沢菜は高揚した声でそう語った。確かに不死鳥の術からの見事な打点形成は、モルトNEXTを愛し、モルトNEXTに愛されていたからこそできたことだろう。
野沢菜、見事白熱のミラー戦を制し第4回大会3位を勝ち取った。
挑龍杯 波乱の決勝編へ続く…
挑龍杯 事前インタビュー記事
- 初めに
- エントリーNo1 モナー@龍王兼蜥蜴王(@MONAR_DM)
- エントリーNo2 北挑戦龍派 渡飴(@wataame_dm)
- エントリーNo3 ヤマp「挑戦龍派」(@fpJnYLQgjIV8XI8)
- エントリーNo4 挑戦龍派 ジェイス(@akb48mayuyuJS)
- エントリーNo5 声人(@koebito)
- エントリーNo6 Zフィナーレ(@46KA_zz)
- エントリーNo7 挑戦龍派 野沢菜(@chosenryuha)
初めに
この記事は、大会参加者7名に事前にアンケートを行い、その内容を記事にしたものです。今大会は殿堂レギュレーションに基づき、特別ルールとしてループが禁止されております。
1:今大会の目標を教えてください
2:今回の使用デッキを教えてください
3:注目選手はいますか
4:今大会への意気込みを教えてください
の順で質問に答えてもらっています。名前の横にTwitterのユーザー名を記載しておりますので、気になった方がいれば活用してください。
エントリーNo1 モナー@龍王兼蜥蜴王(@MONAR_DM)
1:優勝…と言いたいですがいろいろ試したい気持ちが大きいので、デッキが満足する動きが出来るかの確認と改善点が見つかること
2:5Cチェンジザバーンメア
3:挑戦龍派リーダー野沢菜さんと渡飴さんです。野沢菜さんはリーダーですし、渡飴さんは容赦なく環境使ってくるイメージがあるので…www
4:楽しめたらいいなと思います
先日挑戦龍派に加入した5Cの達人。前回の挑龍杯では決勝で敗れ惜しくも2位だったが、今回はその雪辱を果たせるか。
エントリーNo2 北挑戦龍派 渡飴(@wataame_dm)
1:優勝です
2:「闇」チェンジザです
3:野沢菜さんですね。これまでの戦績と合わせて、いろんな意味で注目です。
4:楽しんで優勝します!
注目選手として彼を除く6名中実に4名がこの男の名前を挙げた。挑戦龍派で1番の実力者との呼び声高い渡飴は、今大会で王者の座を奪還できるか。
エントリーNo3 ヤマp「挑戦龍派」(@fpJnYLQgjIV8XI8)
1:もちろん王者2連覇です
2:不死鳥ネクストです
3:渡飴選手です。自分の前の王者でプレイスキルも高く強者!気が抜けません
4:目指せ優勝
前回大会優勝者。王者として臨む今大会、王者の座を守り切り、大会2連覇を成し遂げられるか。
エントリーNo4 挑戦龍派 ジェイス(@akb48mayuyuJS)
1:前回初戦敗退というまさかの結果だったので今回はまずは初戦勝ち進みたい
2:イメンミッツァイルです
3:野沢菜さんです。今回は暴走龍を使うということでGR潰しをしてくると思うので全力で戦います
4:とにかく優勝することです
前回大会では1回戦負けを喫し、裏挑龍杯の準決勝まで進出してしまった。今回は負けられない。悔しさを胸に優勝を狙う。
エントリーNo5 声人(@koebito)
1:友人であるKOUさんがカバレージを書いているそうなので、今回はそのカバレージに載ることを目標としてきました。
2:ドロマーコントロールです。ロージアでもハンデスでもないドロマーをお見せできればいいなと思っております。
3:事前に調べさせていただいた中では5Cモルネクを使用されていた「モナーさん」が怖いなと感じました。
4:挑戦龍派の中に飛び込んでしまったので、今回は台風の目の様な活躍をできれば良いと考えております。
1人目の外部参加者。ネバーループを操り、数多くのオンライン大会で結果を残してきた猛者。今回はこの挑龍杯での優勝を虎視眈々と狙う。
エントリーNo6 Zフィナーレ(@46KA_zz)
1:優勝です!
2:渡飴さんです!
3:赤白ビートダウンです。
4:正々堂々頑張ります!
2人目の外部参加者。サバキZでCS優勝経験もある実力者。今回は零龍入りの赤白ビートダウンで優勝を狙う。
エントリーNo7 挑戦龍派 野沢菜(@chosenryuha)
1:優勝ですね。
2:不死鳥NEXTです。
3:渡飴選手ですね。これまでの挑龍杯での実績は間違いなくNo1だし、その活躍から「挑戦龍派で野沢菜の次に強いのは渡飴」というのが挑戦龍派の共通認識となりつつある気がします。僕と彼は第一回大会の準決勝以来当たってなくて(その時は僕が勝ったんですけど…笑)。再戦が楽しみです。
4:いつも通りマナー良く、謙虚な姿勢で優勝を勝ち取ります。僕が最強です。
挑龍杯主催者にして挑戦龍派のリーダー。最近墓地ソースに浮気していたが、今大会は相棒のモルネクで参加。自己評価に見合う結果を残せるか。
最後に
以上7名が今夜19:00からツイキャスで激突します。
参加者の方は、大会開始時間が近くなったら野沢菜氏か「公式」挑戦龍派(111211_yuya)のアカウントの発言をしっかりと確認し、スムーズに大会を行うためにご協力をお願いします。